１９３５年頃にそのことを私の家族は知らなかったけど、ある漁師からスラック・キーを教えてもらったんだよ。名前は、アルバート・カヴェーロというんだ。なにしろ憧れの人物だったから、どんな悪い所にも全部くっついて行ったものさ。出会ったのは私の家だけど、叔父と大酒をくらい、演奏をするために来ていたんだな。演奏を始めていて「この音はいい」と私は思ったんだ。それが事の始まりだった。

私は彼のために魚を捕まえてくること、彼は私に一対一で稽古をつけること、という交換をしたんだね。約十年間教えてくれた。彼が結婚するまでね。なにしろ、一緒にいられる時間をとっちまうから、嫁さんはそれ以上続けるのを望まなかったわけさ。稽古を始めたのは九歳の頃で、そのころから、ほかの少年たちとホテルやその手の場所で演奏し始めた。おまえは凄いミュージシャンだから仲間に入れよっていうんだ。私達は古いハワイアンの歌をやった。三人でバーやパーティーで演奏してたけど、かなりインフォーマルなもんだね。

１４歳のときに人の命を救ったことがあったよ。私はボーイスカウトだった。公園管理人がやってきて、飛行機が落ちた、泳ぎが得意で勇気のある少年を何人か欲しいと言うんだ。私は小柄だけど泳ぎの達人だった。私が水の中に入ると、みんなが、「見ろよあそこを、小さいのが泳いでいくぞ、あれにまかせちゃいけない」って。 しかし私は泳いでいって、機内からパイロットを引っぱり出した。そして彼を連れて浜まで泳いだんだ。 波は大きかったんだけど、その波は私を助けたのさ。それから何度も彼に会ったけど、とっても 感謝してくれてね。新聞に全部出ていたよ。

２０歳の頃から３０年後にリタイアするまで、溶接工として海軍で働いたんだ。 しかし、スラック・キーをずっと演奏していた。 私はだんだん自分自身のスタイルを身につけた。私は古い人間から歌を学んだし、自分も作曲した。ほんとに多くのミュージシャンと演奏した。数え切れない。すべてのトッププレイヤーと演奏したよ。ギャビー・パヒヌイ、ホノルルで何度もね。サニー・チリングワース、みんなとね。 私はワイキキで演奏した。ビーチでも演奏したんだ。

最初の録音はトレードウィンズのマーガレット・ウィリアムズとだよ。 私の歌で一番良く知られているのは「プナヘレ」といって最初に作曲したやつだ。 ダンシングキャットの私の最初のアルバムに入っている。ビューティフルっていう人がいるんで録音したんだ。私のするやり方で演奏している人は誰もいない。それはユニークだ。 それは私が学んだものと付け加えたものなんだね。 ハワイアンこそ私の好きな音楽だ。雄喜のスラック・キーはビューティフルだ。 彼は最高の演奏者の一人だ。雄喜はトップ・オブ・ザ・ラインだよ。 私は彼にソフトに演奏するやり方を教えた。それが全てさ。私はソフトに演奏するのが 好きだ。音楽はソフトだからね。きみがソフトに演奏するとき、それは音楽だよ。

レイ・カーネ & 山内雄喜のアルバム